地獄の恵み:麴(こうじ)
昔は、町のあちこちに「こうじ屋」さんがありました。
なぜなら、「こうじ」は日本人の食生活には欠かせないものだったのです。
日本人の食生活に欠かせない調味料といえば…
《醤油》《味噌》《みりん》《日本酒》
これらの調味料(発酵食品)を作るのにも、「こうじ」は欠かせないんです♪
「こうじ」作りは、
主に蒸した穀類に麹菌を加えて繁殖させたもの。
その麹菌の酵素がおいしい発酵食品を生み出します。
麹の元になる麹菌は、外国には存在しない日本独自のニホンコウジカビ。
2006年に“国菌”にも認定されています。
【"こうじ" にまつわる漢字のこと】
漢字では、「麹・糀」と書きますが・・・。
「麹」は中国かわ伝わった漢字。かつて中国では「こうじ」を作る際、
主に「麦」を使っていたことから、篇に「麦」の字が使われています。
いまでは、米・麦・豆から作られた「こうじ」全般のことをさしています。
一方、「糀」は明治時代に日本で作られた和製漢字です。
蒸したお米に白いフワフワの菌糸が生えている様子が、
まるで「米に花が咲いたようにみえる」ことから生まれたとのこと。
厳密にいえば、「糀は米からできている"米こうじ"のみ」を表します。
~麴ができるまで~

*当店は、無除草剤・無肥料・無農薬 "米" を使用しています*
①50℃程度のお湯にて洗浄
②お米に付着している汚れを除去
③大分県 or 熊本県の 湧水 にて浸水
丁寧に洗わせていただいたのちに、
季節に合わせて常温または冷蔵にて
お米を浸水させます。

*地獄の蒸気にて蒸かします*
約100℃の地熱エネルギーである温泉噴気を利用した「地獄蒸し料理」
別府鉄輪温泉では、江戸時代から用いられていた伝統の調理法でもあります。
その蒸気を活用して、
お米をしっかり蒸かしていきます。

*1世紀をもまたぐ蒸籠蒸し*
祖母が嫁いだ時から、受け継がれていた蒸籠
金具を一切使わず、職人の手によって作られた蒸籠
蒸気とともに香る匂いはしあわせ一色☆
蒸かす途中で、お米をふんわりと混ぜ合わせます。

*白くてしっとりした麴*
保温器で作るのではなく、
完全手作りの麴
種きり・手入れ・温度管理
すべての工程は完全手動。
そのため、気候にあわせて
温度管理に時間を費やしています。
麴の力を信じて、過保護にせず、
そっと見守る。
ヒトも麴も原則は同じ。